ディケンズ・フェロウシップ日本支部

LITTLE DORRIT

『リトル・ドリット』

主な登場人物作品の梗概
 




主な登場人物



作品の梗概

マルセーユの牢獄で、悪党のリゴーが相棒のカヴァレットー(Cavalletto)に、自分は金欲しさに妻を殺したために投獄されたのだと話す。彼は裁判に送られる。マルセーユにはアーサー・クレナムも来ている。彼は父の商売を手伝って二十年間東洋に住んでいたが、父が死んだため帰国する途中である。彼は検疫所にいるが、そこにはミーグルズー家も留められている。ミーグルズ氏の美しい娘ペットが皆にちやほやされるので、女中タティーコラムは甚だおもしろくなく、船客のひとりウェイド嬢の同情を求める。

ロンドンに戻ったアーサーは母のクレナム夫人に冷たく迎えられる。アーサーは母に、父は事業で何か不正なことをしたようだと語るが、母は、彼が二度とそんなことを口にすれば家から追い出すと言う。

アーサーは、クレナム夫人の裁縫をしている少女エイミーに会う。彼女は「マーシャルシーの父」ウィリアム・ドリットの末娘で、父親や兄姉の生活を支えるために針女として働いているのである。ウィリァム・ドリットの弟、フレデリックを通してアーサーはドリット一家に紹介され、エイミーに対する好意から、ドリットを出獄させる方法を考える。彼は繁文縟礼省でドリットの債権者について調査しようとするが、うまく行かない。彼は発明家ダニエル・ドイスに会うが、二人は後に協同経営者になる。また、傷心地区のプローニシュ夫妻(the Plornishes)にも会う。リゴーも釈放されて再び登場する。

アーサーは、かつての恋人フロ−ラ・フィンチングに会う。彼女に幻滅を感じたアーサーはミーグルズ家を訪ね、ペットに愛を感じるが、抑える。エイミーの姉ファニーはエドマンド・スパークラーに求愛されるが、彼の母マードル夫人が反対するだろうと思い、受けつけない。エイミーはアーサーを愛しているが、彼には知らせない。ペット・ミーグルズは画家のヘンリー・ガウアンに心を引かれ、結婚する。リゴーは、ブランドワと名のってクレナム夫人の家を訪れる。

家賃集めを業とするパンクスは、ウィリアム・ドリットが莫大な遺産の法定相続人であり、財産家となってマーシャルシーを出られる身であることを発見する。自由になったドリットは家族を連れて外国旅行に出る。一家は、スイスでは結婚したばかりのガウアン夫妻に会う。次にはファニーに求婚したことのあるスパークラーとその母親、およびブランドワといっしょになる。また、ドリット姉妹の付き添いとしてジェネラル夫人も同行しているが、彼女はウィリアムと結婚しようと考えている。ファニーはスパークラーと結婚する。スパークラーの継父マードルはウィリアムに財産投資の方法について説き、ウィリアムはそれに従う。ドリットは思考力が衰え、まだマーシャルシーにいるのだと錯覚し、マードル夫人のパーティーで客たちに奇妙な演説をする。その十日後、彼は死に、弟のフレデリックもその傍で死ぬ。

アーサー・クレナムはウェイド嬢に会うためにカレーへ行く。タティーコラムが彼女の許に逃げて来ている。アーサーはロンドンでウェイド嬢がブランドワといっしょにいたのを見たので、彼について彼女に尋ねるが、彼女は何も教えようとしない。しかし、彼女は自分の経歴について書いたものを彼に渡す。彼はロンドンに戻ると、偶然カヴァレットーに会い、リゴーすなわちブランドワの過去の悪事について聞かされる。アーサーはこれをクレナム夫人に伝えるが、彼女は信じようとしない。夫人の女中アフリー(Affery) が家の中で夜間こえる不思識な物音について彼に告げる。

マードルが自殺し、彼の事業に投資していたアーサーは破産する。彼は借金のためマーシャルシーに投獄される。エイミーが獄に彼を訪ね、自分の財産を全部彼に提供すると言うが、彼は断わる。

ブランドワは、クレナム夫人に、彼女の秘密を知っていると言う。それは、アーサーの出生についてと、エイミーが受け取るはずの遺産についての遣言を彼女が握りつぶしたことであった。彼はこれを用いて彼女を恐喝する。彼女はマーシャルシーヘ行って、病気のアーサーの看護をしているエイミーに会い、いっしょに邸の側まで戻ると、家は崩れ、ブランドワはその下敷となって死ぬ。アフリーの聞いた不思議な物音は、この家が腐朽して崩れる前兆だったのである。

ミーグルズ氏はフランスに行ってウェイド嬢に会い、ブランドワが彼女に託した書類を渡すよう頼むが、彼女は断わる。しかし、彼がイギリスに戻ると、タティーコラムが書類を持って現われる。彼女はウェイド嬢の本性を知って、その影響を恐れ、逃げて来たのであった。ミーグルズ夫妻は再び彼女を家族の中に迎える。

回復したアーサーは、ダニエル・ドイスとミーグルズの力でマーシャルシーを出る。エイミーは、彼女の一家の財産もまたマードルのために全部なくなってしまったので、彼に与える富は何もないと告げる。二人の結婚がマーシャルシーの傍の教会で行なわれる。

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